連載コラム

第1話「光とは」

光にはさまざまな種類があります。電気こたつに使われている赤外線や日焼けの原因となる紫外線、病院のレントゲン写真に使われているX線などすべて光の一種です。光には波の性質があり、図1のように波の山から山の長さのことを波長といいます。

波長
図1:波長

図2は光のスペクトルを表しており、その中で人間に見える光の範囲を可視光線といいます。可視光線には赤~橙~黄~緑~青~紫のような色があります。光にはさまざまな色がありますが、この色の違いは波長によって変わってくるのです。可視光線の波長の範囲はおおよそ400~800nmとなっています。(1nmは10億分の1m)

スペクトル
図2:スペクトル

可視光線の波長より長い波長の光を赤外線といい、短い波長の光を紫外線といいます。こたつからは赤外線が出ていますが、可視光線領域ではないため見ることはできません。実際に見えているのはこたつの中に設置されているランプの発光です。
ランプは赤の可視光線を出して電源のON・OFFがわかるようにしてあります。

赤外線は私たちの体からも出ています。これを利用しているのがサーモグラフィーという技術です。サーモグラフィーは赤外線が多い位置を赤色に、少ない位置を青色にして、温度変化を画像で表示したもので医療用として使われています。サーモグラフィーを利用すると図3のようになります。

サーモグラフィーを利用して観測した手
図3:サーモグラフィーを利用して観測した手

また、私たち人間の目は、赤、緑、青の3色の光を感じることで600万~1,000万色を見分けることができます。図4のように目が「緑+赤=黄」というように光を合成して、それらの色を見分けています。そして、3色すべての色が混ざると白色に見えます。これら3色のことを光の3原色といいます。

光の3原色
図4:光の3原色

逆に、白色光はいろいろな色に分けることができます。この色を分けることを分光といいます。

分光の話は第2話に続きます。

著者:久保田 善大