連載コラム

第2話「光と分光」

第1話で述べたようにすべての波長の可視光を合わせた光を白色光といいます。白色光は私たち人間の目では無色に見えて、本当に色が含まれているのかわかりません。

そこで、プリズムが役に立ちます。イギリスの物理学者ニュートンがプリズムに白色光を当てると、屈折率により波長の長い光の色から短い色に分かれることを発見しました。このことを分光といいます。(図1)

プリズムによる光の分光
図1:プリズムによる光の分光

分光は屈折率と深い関係をもっています。屈折率は光の波長によって決まり、波長の短い光ほど鋭く屈折します。この関係を屈折率nとして表すと下式のようになります。

光と屈折率の関係式
式1:光と屈折率の関係式
(V:媒質中の光速度[m/s]、f:周波数[Hz]、λ:波長[m]、c:光速度[m/s])

この式によって、波長が短い紫は媒質中の光速度Vが小さいので、屈折率nが大きくなります。また、波長が長い赤は屈折率nが小さくなります。このため、プリズムを通過した白色光は波長の長さによって分けられ、波長の長い赤から短い紫まで連続して観測されます。

分光の現象が日常で見ることができるのが虹です。これは雨の水滴がプリズムの役割をしています。(図2)

水滴による光の分光
図2:水滴による光の分光

備考:運がよければ虹は2つ見ることができるかも。

私たちが普段目にすることがあるのは、主虹(しゅこう、しゅにじ)といって、外側が赤で内側が紫です。実は、主虹の上にはもうひとつ虹が見えます。この虹を副虹(ふくこう、ふくにじ)といい、主虹とは逆で、外側が紫で内側が赤です。

偏光の話は第3話に続きます。

著者:守田 翔吾